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大人がハマるガンダムとは?

ファーストガンダムとは

 今回東静岡に立つ等身大ガンダムは、現在TV放送されている最近のガンダムではなくて、30年前に放送された最初のガンダムである「機動戦士ガンダム」、通称“ファーストガンダム”です。(放映期間:1979/4/7〜1980/1/26 全43話)
 TVアニメですが、ファーストガンダムは小さな子供向けではなく、最初から中学生以上をターゲットに作られました。
 今でこそ中高生や大人向けのアニメは普通にありますが、30年前としては珍しく、最初の放送時は視聴率が上がらずに、残念ながら放送回数が短縮されて打ち切りになってしまいました。
 しかし、再放送、再々放送で段々とファンが増え、ついに視聴率は20%を越えるまでに至ったのです!! そしてその後は映画化され、更にファンは拡大しました。
 
 ですから、等身大ガンダムを観に来る方は子供たちではなくて、30年前の中高生⇒現在30代〜40代の大人なのです
 以下、ファーストガンダムの魅力について説明していきます。

「人口爆発」という現実に起こりうることがテーマ

 それまでの「ロボットアニメ」は、敵は宇宙人(宇宙からやって来る怪獣)で、地球を守るのは政府の機関などではなくて何故か小規模な私設軍のようなもので、1〜数台のロボットで対抗するといった、いわゆる子供だましの設定のものばかりでした。
 
 それに対してファーストガンダムは、21世紀後半に実際に起こりうる人口問題が題材になっており、宇宙人ではなくて人間同士の戦争の話です。大人でも納得できる内容なのです。
 ファーストガンダムでは、地球の人口が90億人を超えて、地球の環境破壊が限界に達したため、宇宙への移民が行われたという時代設定になっています。
 
 現実の2009年の国連の発表では、「2050年には世界人口は90億を超える」と発表されていますから、ガンダムの世界のような地球規模の問題はあと数十年で実際に起こりうることです。
 ファーストガンダムが放送された30年前には、「人口90億に達するのは21世紀末頃」と予想されていましたから、まだ「自分達が死んだ後の問題」と思いながら観ていられましたが、2050年ということから、だんだんと現実味をおびてきました。
 このようなことも、放送開始から30年経った今でも熱狂的なファンが減らない理由の一つでしょう。
 
 さて、ガンダムの世界では、宇宙への移民のために、月の軌道上の重力が安定したポイント(ラグランジェ・ポイント)「スペースコロニー」と呼ばれる、1つに約2000万人が生活できる巨大な宇宙ステーション(宇宙都市)を複数建設し、そこに人類を強制移民させる計画となっています。
 これらのことを実施するには、国家単位や国際協力レベルでできることではないため、人、物資、資源などのあらゆるリソースを地球全体規模で統一運用する組織が必要となりました。
 そこで、国連の承認によって 地球上の全ての国家組織を統一した“地球連邦”が誕生。また、各国の軍組織は統合、再編されて“地球連邦軍”となったとされています。

戦争勃発

 西暦2045年の宇宙移民の開始と共に西暦が廃止され、新たに“宇宙世紀”(Universal Century:U.C.がスタートしました。
 地球連邦政府による、人類の半強制的な宇宙移民は順調に進み、宇宙世紀0050年には全人口の80%の移民が完了しました。
 
 ところが、宇宙世紀0051年に、地球連邦政府は突然宇宙移民を中止したのです。
 この時に地球に残っていたのは、地球連邦政府の役人や富裕層といった“特権階級”であり、要は一般人を宇宙に追いやり、少数の権力者が地球を独占する形となったのです。
 
 こんな状況に、スペースコロニーという限られた空間で暮らす移民者達の地球連邦政府への反発心は高まり、コロニーの1つの「サイド3」では、思想家“ジオン・ズム・ダイクン”が地球連邦からの独立運動を行い、サイド3の首相に就任しました。
 
 しかし、ジオン・ズム・ダイクンは志半ばで変死「暗殺された」と言われる)し、代わって首相に就任した“デギン・ソド・ザビ”が“ジオン公国”を名乗り、地球連邦からの独立戦争を開始したのです。
 この“ジオン独立戦争”は、宇宙世紀0079年1月3日〜0080年1月1日までの1年間行われたため、通称“1年戦争”と呼ばれています。(西暦で言えば2124年)

ロボット兵器の必要性

 宇宙移民側の軍であるジオン公国軍は、1つのコロニー内の小さな軍隊であり、地球全体を支配する地球連邦軍との軍事力の差は歴然としていました。
 
 そこで、ジオン公国軍が注目したのが“ミノフスキー粒子”というものです。
 ミノフスキー粒子は宇宙世紀0069年に発見された粒子で、短波から長長波に至る電磁波の大半を吸収する性質を持っています。
 そのため、ミノフスキー粒子を高濃度で散布した領域では、レーダーや通信機器が使用不能となり、第二次世界大戦以前のような原始的な有視界での戦闘を行うしかなくなるわけです。
 有視界での戦闘ということは、至近距離での白兵戦です。つまり、白兵戦に適した兵器を量産すれば、レーダーや通信機器に頼った長距離攻撃に適した戦力の地球連邦軍に対抗できると考えたのです。
 
 宇宙世紀0071年、ジオン公国軍はミノフスキー粒子散布下における白兵戦に適した新型兵器の開発に着手し、宇宙世紀0073年には“モビルスーツ”と呼ばれる人間型の新型兵器(ロボット兵器)が完成したのです。
 その後、宇宙世紀0075年には量産型のモビルスーツ“ザク”が完成し、対地球連邦戦争用の絶対兵器を用意した上で1年戦争を迎えることになるのです。

ザクの魅力

 量産型モビルスーツである「ザク」は、過去の戦争での戦車のような位置づけなものの、白兵戦の歩兵をイメージして作られたため、戦車などの軍用車両を思わせる緑系のカラーリングに、第二次世界大戦のドイツ軍兵士(ヘルメットを被った歩兵)をイメージさせるようなデザインとなっています。
 
 また、ザクの武装はマシンガンやバズーカといった、実在の歩兵用の火器をモビルスーツの大きさにしたものであり、架空のロボットというよりも、宇宙空間での戦闘のために歩兵を大型化したというような造りになっています。
 
 このような設定が、従来のミリタリーファンである大人にも人気を博すことにつながっています。
 ザクの人気は最近になっても続いているため、2004年にはジオン公国軍の試作兵器の試験を描いた「機動戦士ガンダム MS IGLOO」という作品も作られています。

ガンダムの登場

 ミノフスキー粒子の散布環境下での近距離戦闘に適した兵器である「ザク」の量産に成功していたジオン公国軍は、地球連邦軍の宇宙艦隊を次々と撃破し、1年戦争を圧倒的に優位に勝ち進んでいきました。
 
 そんな状況を目の当たりにした地球連邦軍は、ジオン公国軍のザクをサンプルとして入手し、ザクに対抗できるモビルスーツの開発を急ピッチで行い、宇宙暦0079年7月に“ガンダム”(正式名称は「RX-78 ガンダム」)を開発したのです。
 
 ガンダムは、ザクのようなマシンガンやバズーカといった実在の歩兵用の火器ではなくて、「ビーム・サーベル」や「ビーム・ライフル」といった、一撃でザクを撃破できるほどの超強力な最新兵器を備えており、また、宇宙空間は元より、水中や大気圏内でも戦える万能性も持っています。
 そんな超高性能なガンダムは、ザクの7倍とも言われる大変なコストがかかっており、量産型ではなくて、あくまで実戦テストのための試験用として開発されたものでした。
 
 アニメ「機動戦士ガンダム」(ファーストガンダム)は、このガンダム(RX-78-2 ガンダム)が実戦で活躍を始める宇宙世紀0079年9月18日から、1年戦争が終結する宇宙世紀0079年年末までの物語です。
 そしてもちろん、東静岡に立つ「等身大ガンダム」は、この“RX-78-2 ガンダム”なのです。

ニュータイプという設定

 1年戦争は、圧倒的な破壊力を持つガンダムの活躍などによって、9月後半からの4ヶ月弱で地球連邦軍が形勢を逆転して勝利します。
 しかし、いくらガンダムが高性能だからと言っても、たった一機でジオン公国軍を全滅させることなどできるはずはありません。
 
 そこには、ガンダムのパイロットが“ニュータイプ”と呼ばれる特別な人間であるという設定がなされています。
 このニュータイプという設定が、単に「ガンダムが圧倒的な強さで勝利した」といういかにも子供向けアニメのような話ではなくて、30年経っても根強くファンが続くことにつながっています。
 
 次頁へ続く

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